Q7: どうしてデジタルピアノより生のピアノの方がいいの?

A7:

住宅環境などでデジタルピアノしか置けないという場合も多いと思います。
やはりアコースティックピアノとは違うものですが、家でデジタルピアノの方もレッスンで毎週生のピアノで弾くことでだんだんその感覚をつかんでいくことができますし、そのように指導もしていきます。
(^_^)

しかし使ったことのない人からするとデジタルピアノと生ピアノの違いってよく分からないものですよね。 ですので使う側から見たその違いを具体的に書きたいと思います。

1.タッチと音の関係

まず、「こんなふうに弾いたらこういう音が鳴る」というタッチと音の関係についてです。

●まず音量

「これくらいで弾いたらこれくらいの大きさの音が鳴る」というのは、 デジタルピアノだと音量のつまみを変えるとそれで変わってしまうので分かりづらくなります。
小さい音量に設定してしまうと余計な力が入る弾き方になってしまったり、逆に大きめの音量に設定すると弱い力で弾いてもよく鳴るので 実際に生のピアノで弾こうとすると音がよく鳴らせなかったりすることがあります。
ピアノは楽器の全体が鳴るように作ってあるので、その感覚もスピーカーやヘッドフォンから出てくるのとは違います。

●次に音質

音質というと音量に比べて分かりづらいかもしれませんが、簡単に言うと、響く音と響かない音、固い音と柔らかい音、 はっきりした明るい音とくぐもった暗い音、などです。

実際ピアノを弾くと分かりますが、これは音量と同じくらいに大きな要素です。 ピアノは多分一般の方が思っているよりもはるかに繊細に指のタッチを伝えます。

うまく打鍵できなければ音がかすれたり響かない音になったりします。無理な力が入れば耳障りで金属的な音になったり乱暴な音になったりします。 また、例えばメロディーをくっきりとした音で浮き立たせて伴奏をやわらかい音で弾くなど、音質の弾き分けは演奏表現において 欠かせない要素でもあります。

そういった音質の弾き分けは、生ピアノを使っているとある程度は自然に身に付いて来るのですが、 デジタルピアノはどう弾いてもいつも同じ、 サンプリングしてある「いい音」が出ますので、音質に対する「感覚」をつかむのが難しいです。

2.快感

良い楽器の音は「快感」を生みます。 それは味覚や嗅覚など、他の五感と全く同じだと思います。 ほんとに美味しい食べ物、「ああ〜美味しい!もっと食べたい、 また食べたい」っていう、五感に訴えかける快感です。

自然の音には「倍音」が含まれていて、それがとても豊かで気持ちの良い響きを作ります。 生の楽器はその倍音がたくさん含まれています。
生のピアノもそうです。単音で弾いてもその中にたくさんの音が含まれています。そしてたくさんの弦同士が共鳴し合って、 ふくよかな気持ちの良い響きが出来上がります。共鳴板は響きを増幅させます。 そして良いピアノはボディーも一緒に共鳴するように素材を厳選し、工夫をこらして作ってあります。

生ピアノとデジタルピアノは違いますが、でもデジタルピアノではいろんなテクニックや感覚を身につけられないわけではありません。レッスンで週に一回生のグランドピアノで弾いてきちんと指導を受けることでだんだんと感覚を身につけて行くことができます。
デジタルピアノを使っている生徒さんもちゃんといい音を鳴らせるようになっています。
(^_^)

あとおまけで、ピアノを買うのに迷った時、もう一つ「中古再生ピアノ」という選択肢もあります。
ただこれはあんまり言うと新品のピアノを一生懸命売ろうとしている楽器屋さんに怒られそうなので軽く触れるだけにしておきますが(笑)、ピアノは消耗部品を交換したりちゃんと修理して調整すればまた使えるようになります。
また、古いピアノは今よりも材質が良い物を使っていて良い音がする物もあったりします。外装もオーバーホールしたものであれば見た目も新品と変わりません。そして値段も新品を買うのに比べたらずいぶん違います。

以上よかったら参考にしてみて下さい。


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